魚編に虎と書いて鯱と読む!!

名古屋で読書会サークルを主催しています。読書の話を中心に徒然と書きます。グランパスが大好き。本職は公認情報システム監査人やってます。

歴読!

井上靖「風林火山」

この小説は、勘助、由布姫のプラトニックな愛、もしくは信玄を加えた三角関係を描いた純愛小説なのではないか。もしくは「化物」勘助が人としての愛を知る物語。 風林火山 (新潮文庫) 作者: 井上靖 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/11/16 メディア: 文…

日本文学全集 第1集

何を思ったのか、何かが降りて来たのか分かりませんが、この2週間ほど、河出書房の池澤夏樹個人編集-日本文学全集シリーズより、第1集の12冊を紹介してみました。 どれもこれも読み応えのある一冊です。機会があれば、次は第2集にチャレンジしてみます。 な…

井原西鶴「好色一代男」

若干馬鹿馬鹿しくもあるけど、現代では絶対に出来ないであろう自由きままな生き方は、どこか羨ましい。そして、本当にモテる男というのは、どんな女性にも優しく出来ること。 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集11)…

「宇治拾遺物語」

原文がどうこうと言うより、この町田康の新訳が傑作というか反則。瘤取り爺さんの話を始め、馴染み深い物語も町田フィルターで規格外のストーリーに。 絶対にお洒落カフェや電車の中では読まないでください! 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 (池澤…

折口信夫「口訳万葉集」

高校時代、万葉集の代表歌人として名前さえ覚えておけば、古典か日本史で点取れたくらいの記憶しかなかった山上憶良。子を持つ親の立場になって、その良さというか、子を想う気持ちが分かってきた。妻子の待つ家に早く帰りたい。という気持ちがよく分かる。 …

折口信夫「死者の書」

藤原南家の姫と大津皇子(亡霊?)の恋物語。全編に渡って、ジトっと湿った空気を感じるけど、独特の表現が癖になりそう。 南方熊楠/柳田國男/折口信夫/宮本常一 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集14) 作者: 南方熊楠,柳田國男,折口信夫,宮本常一 出版社/メーカ…

「古事記」

古事記って読み手によって、歴史書にも文学にも政治史にも芸術にも成り得る読み物だから面白い。この池澤夏樹版は注釈の量も多く中身も濃厚。視線の上下運動が大変(笑)。 古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01) 作者: 池澤夏樹 出版社/メーカー: 河出書…

歴読夏の陣!「南総里見八犬伝」

昨日は歴史読書会「歴読!」と「日本の古典を読む会」合同読書会を開きました。課題本は曲亭馬琴「南総里見八犬伝」、作者が28年もの期間をかけて書き上げた長編小説です。 今回は普段と趣きを変えて会場も和室を利用、名古屋国際センターの和室に『二十犬士…

歴読! #37 「馬上少年過ぐ」

今回で37回を迎えた歴史読書会「歴読!」。 今月の課題本は司馬遼太郎「馬上少年過ぐ」。独眼竜こと伊達政宗を描いた表題作を始め7つの短編小説が収録されています。 馬上少年過ぐ (新潮文庫) 作者: 司馬遼太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1978/11/29 …