魚編に虎と書いて鯱と読む!!

名古屋で読書会サークルを主催しています。読書の話を中心に徒然と書きます。グランパスが大好き。本職は公認情報システム監査人やってます。

読書

三浦知良「やめないよ」

やるべき事を来るべき時のために欠かさず行う。いくつになっても「学ぶ」ことを忘れないからこそ、今の地位を維持できるのであろう。心の弱っている時に読み直すことで、何か勇気をもらった気がする。諦めず、常に上を向いて歩こう! やめないよ (新潮新書) …

早見俊「うつけ世に立つ」

僕が生まれ育った岐阜の街を描いた作品。とは言っても450年前のお話だけど。 織田信長の文化人としての側面として、落語の祖とも言われる安楽庵策伝や鵜匠たちとの交流を描いており、今までの作品とは違う信長像が新鮮。 また、残酷にも見える行為の裏で思い…

井上靖「風林火山」

この小説は、勘助、由布姫のプラトニックな愛、もしくは信玄を加えた三角関係を描いた純愛小説なのではないか。もしくは「化物」勘助が人としての愛を知る物語。 風林火山 (新潮文庫) 作者: 井上靖 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/11/16 メディア: 文…

三宅秀道「新しい市場のつくりかた」

新しい市場を作るという行為は、単にモノを作って売ると言うのではなく、新しいライフスタイルや文化を創造することである、と言うのが一貫した著者の主張。なかなか難しいことを、と思ってしまうが、例えば、今の自分の生活を省みた時に、「まあ仕方ない」…

ショウペンハウエル「読書について」

悪書は読まぬこと、と言われても読んでみないと分からない。まずは少し売れてるからと言って、安易に手を出さぬこと。量より質。一冊一冊、自分の頭を使って考えながら、本を読もう! 読書について 他二篇 (岩波文庫) 作者: ショウペンハウエル,Arthur Schop…

ウイリアム・シェイクスピア「リア王」

最後まで誰も救われない後味の悪さが実にシェイクスピアな作品。だけど、何年か周期で読み直したくなる。 リア王 (光文社古典新訳文庫) 作者: シェイクスピア 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2013/12/20 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を…

アーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」

ヘミングウェイの何が好きって、あの「草食男子?去勢されて死ね!」的な雰囲気が割と好きだ。北方謙三と重なって見えるかも。昔は、あまり意識しなかった台詞だけど、40になって読み返すと、なんか感慨深い。「まあ、負けてしまえば気楽なものだ。こんなに…

ロバート・B・チャルディーニ「影響力の正体」

今回、「影響力の武器」から「影響力の正体」に改題されたのは時代の流れか。消費者を欺こうとすれば見破られて炎上。それでも、次から次へと現れるグレーな商法に立ち向かうための本。 影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく 作者: ロバート・B・チ…

中勘助「銀の匙」

最近、こんなにピュアで甘酸っぱい思いをすることはなくなったなあ。 取り合えず、人の恋路を邪魔する奴は馬にでも蹴られちまえ! 銀の匙 (岩波文庫) 作者: 中勘助 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1999/05/17 メディア: 文庫 購入: 15人 クリック: 150回…

F・スコット・フィッツジェラルド「グレート・ギャッツビー」

ギャッツビー、なんか寂しいよなあ、ギャッツビー。 滅茶苦茶リア充を目指してたのに、なりきれなくて、最後はグサリと...。 ギャッツビー、なんか切ないよなあ、ギャッツビー。 グレート・ギャッツビー (光文社古典新訳文庫) 作者: F.スコットフィッツジェ…

日本文学全集 第1集

何を思ったのか、何かが降りて来たのか分かりませんが、この2週間ほど、河出書房の池澤夏樹個人編集-日本文学全集シリーズより、第1集の12冊を紹介してみました。 どれもこれも読み応えのある一冊です。機会があれば、次は第2集にチャレンジしてみます。 な…

井原西鶴「好色一代男」

若干馬鹿馬鹿しくもあるけど、現代では絶対に出来ないであろう自由きままな生き方は、どこか羨ましい。そして、本当にモテる男というのは、どんな女性にも優しく出来ること。 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集11)…

石牟礼道子「水はみどろの宮」

社会問題を描いた代表作「苦海浄土」とは異なり、ファンタジー要素の強い作品。草の声、水の声、風のささやきや山の精との対話から生まれるものは何か?時には、目に見えない何かの声に耳を傾けることも大切なのかも。 石牟礼道子 (池澤夏樹=個人編集 日本文…

「宇治拾遺物語」

原文がどうこうと言うより、この町田康の新訳が傑作というか反則。瘤取り爺さんの話を始め、馴染み深い物語も町田フィルターで規格外のストーリーに。 絶対にお洒落カフェや電車の中では読まないでください! 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 (池澤…

日野啓三「向う側」

読むタイミングとしては、まさに今かという気もする。ある意味、残念だけど。戦場の泥臭い腐臭が纏わりついてくる作品。 日野啓三/開高健 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集21) 作者: 日野啓三,開高健 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/08/12 メデ…

折口信夫「口訳万葉集」

高校時代、万葉集の代表歌人として名前さえ覚えておけば、古典か日本史で点取れたくらいの記憶しかなかった山上憶良。子を持つ親の立場になって、その良さというか、子を想う気持ちが分かってきた。妻子の待つ家に早く帰りたい。という気持ちがよく分かる。 …

大江健三郎「治療塔」

度重なる核戦争によって汚染された地球より脱出する選ばれら人類たち。絶望感が終始漂うストーリー。他の作品もだけど、大江健三郎はどんな絶望と戦ってるのだ? 大江健三郎 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集22) 作者: 大江健三郎 出版社/メーカー: 河出書房…

吉田健一「酒宴」

読んでるうちに、朝から翌朝までぶっ通しで日本酒を飲みたくなってきたけど我慢。ちなみに、著者は吉田茂の息子さんだったのですね。恥ずかしながら初めて知りました。 吉田健一 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集20) 作者: 吉田健一 出版社/メーカー: 河出書…

折口信夫「死者の書」

藤原南家の姫と大津皇子(亡霊?)の恋物語。全編に渡って、ジトっと湿った空気を感じるけど、独特の表現が癖になりそう。 南方熊楠/柳田國男/折口信夫/宮本常一 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集14) 作者: 南方熊楠,柳田國男,折口信夫,宮本常一 出版社/メーカ…

堀辰雄「かげろうの日記」

藤原道綱母の書いた「蜻蛉日記」をモチーフとした小説。原作の切なさ5割り増しといったところか。 堀辰雄/福永武彦/中村真一郎 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集17) 作者: 堀辰雄,福永武彦,中村真一郎 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/03/12 メ…

樋口一葉「たけくらべ」

川上未映子の訳が『今時の女の子』のストーリーにも読み取れる妙。賛否両論あったようですが原文の雰囲気は十分に残っていて、それだけに、ただ焦ったくも感じる物語。 樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集13) 作者: 夏目…

中上健次「鳳仙花」

紀州サーガの所謂エピソード0に当たる物語。「路地」に生きる人の業というか、ドロっとしてるか、ヌメヌメするような感触を受ける。読み手を選ぶ物語かもね。 中上健次 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集23) 作者: 中上健次 出版社/メーカー: 河出書房新社 発…

「古事記」

古事記って読み手によって、歴史書にも文学にも政治史にも芸術にも成り得る読み物だから面白い。この池澤夏樹版は注釈の量も多く中身も濃厚。視線の上下運動が大変(笑)。 古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01) 作者: 池澤夏樹 出版社/メーカー: 河出書…

歴読夏の陣!「南総里見八犬伝」

昨日は歴史読書会「歴読!」と「日本の古典を読む会」合同読書会を開きました。課題本は曲亭馬琴「南総里見八犬伝」、作者が28年もの期間をかけて書き上げた長編小説です。 今回は普段と趣きを変えて会場も和室を利用、名古屋国際センターの和室に『二十犬士…

朝活@NGO #47 「日常の小さなイライラから解放される『箱』の法則」

今朝は朝活@NGOの読書会に参加してきました。課題本は話題の「日常の小さなイライラから解放される『箱』の法則」です。 日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する 作者: アービンジャー・インスティチュート …

名古屋アウトプット勉強会 #88 「急に売れ始めるにはワケがある」

今夜はビジネス読書会「名古屋アウトプット勉強会」に参加してきました。課題本は先日も書きましたが、マルコム・グラッドウェル(著)「急に売れ始めるにはワケがある」。 余談ですが、以前、マルコム・グラッドウェルが来日した際の講演ギャラは約2500万円だ…

「風姿花伝」

昨年2013年は世阿弥生誕650年だったそうです。その世阿弥が能の奥義を子孫に残すために書いた秘伝の書が「風姿花伝」。 風姿花伝 (岩波文庫) 作者: 世阿弥,野上豊一郎,西尾実 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1958/10/25 メディア: 文庫 購入: 9人 クリッ…

「急に売れ始めるにはワケがある」

今週末に参加する読書会の課題本なので読んでみました。 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則(ソフトバンク文庫) 作者: マルコム・グラッドウェル,Malcolm Gladwell,高橋啓 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイテ…