魚編に虎と書いて鯱と読む!!

名古屋で読書会サークルを主催しています。読書の話を中心に徒然と書きます。グランパスが大好き。本職は公認情報システム監査人やってます。

マルグリット・デュラス「愛人」

「植民地の白人社会の最下層」という設定が全て。登場人物全員が闇を抱えていて、まっとうな人物が一人もいない。誰にも感情移入できないというか、遠くにいる人たちを、ただ遠くから眺めている感じ。
ところどころエピソードが入れ替わったりするけれど、老女(?)の回想と捉えるべきか。時間軸より関係軸を優先して構成されている。また指示代名詞の多用は、あえて読者を混乱させようとしてるのかもしれない。
なんとなくだけど、桃井かおりの声で朗読されているイメージで読むと雰囲気が出る。セピア色の思い出みたいな。