魚編に虎と書いて鯱と読む!!

名古屋で読書会サークルを主催しています。読書の話を中心に徒然と書きます。グランパスが大好き。本職は公認情報システム監査人やってます。

北方謙三「三国志(十)」

関羽の死の衝撃が劉備陣営に襲い掛かって、息つく間もなく、曹操が死去。そして後漢滅亡。曹丕が魏の初代皇帝となり、劉備蜀漢の初代皇帝に即位、と忙しい。
そんな中、張飛が呉の致死軍の手によって暗殺される。この張飛暗殺計画というのが、実にエグい。作品中でも、もっとも卑劣であり、もっともドン引きする。愛する董香を失い、どんどん壊れていく張飛の姿は見ていられない。そんな張飛も、最後まで暗殺者に情をかけ、心優しい姿は失わず散っていく。
以前にも書いたけど、北方三国志張飛は、実に人間臭く、そして心優しい漢として描かれている。関羽張飛、こんな義弟たちを持った劉備は本当に幸せだったのかもしれない。

 

三国志〈10の巻〉帝座の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志〈10の巻〉帝座の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)