魚編に虎と書いて鯱と読む!!

名古屋で読書会サークルを主催しています。読書の話を中心に徒然と書きます。グランパスが大好き。本職は公認情報システム監査人やってます。

高殿円「剣と紅」

大河ドラマ「おんな城主直虎」と同じく、井伊直虎を主人公とした作品。
両作品で対照的な点はいくつもあるけど、共通なのは直虎と小野政次の微妙な関係性。そして、敢えて憎まれ役を演じる政次は確かに見ていて切ない。
大河の直虎とは異なって、少しクールな感じもするけど、井伊谷を守るのに必死な姿は一緒。そんな姿に周りは惹きつけられていくのだ。

 

 

 

ヒド・ファン・ヘネヒテン「ちっちゃな おさかな ちゃん」

いつもと趣向を変えて、今回は子ども向け絵本。
赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫と登場するキャラクターの色彩が鮮やか。
ママと離れ離れになってしまったおさかなちゃんの冒険。子を持つ親の立場としては、再会のシーンでウルっときてしまいます。
しっかし、こういった作品で、いつもパパが登場しないのは、父親としては寂しい限りです(苦笑)。

 

ちっちゃな おさかなちゃん (世界中でくりかえし読まれている本)

ちっちゃな おさかなちゃん (世界中でくりかえし読まれている本)

 

 

 

川端康成「眠れる美女」

初めて読んだのは中学の頃で、当時はケシカランと思う本を読んでしまった背徳感から、最後まで読まないまま図書館に返したのは恥ずかしい思い出。

大人になって読み返すと、また違った感想を持つのも不思議だけど、今は「性」より「生」、いや「死」について何か人の業の様なものを深く刻み込まれる。


人生の最後に、思い付く欲望ってなんだろう?

 

眠れる美女 (新潮文庫)

眠れる美女 (新潮文庫)

 

 

 

ジーン・リース「サルガッソーの広い海」

主人公アントワネットこそが、名作「ジェイン・エア」のバーサだったという設定を知らずに読んでいたら、ただの悲しい女の一生を描いた物語、くらいの感想で終わっていた。
結局のところ、旧植民地で生まれたが故に、運命に翻弄され、生きる気力も失ってく様は哀しい。本当に報われない彼女の生涯しか記憶に残らなかった。

 

 

 

内村鑑三「代表的日本人」

紹介された5人は揃って、世のため、人のためなら命を投げ捨てる聖人君子のように書かれているが、実際はどうだったのだろう。どことなくキリスト教の殉教者みたいに書かれている気もした。

内村鑑三自身の信じていたキリスト教が堕落していることに対する嘆きみたいなものを節々に感じる。

代表的日本人 (岩波文庫)

代表的日本人 (岩波文庫)

 

 

 

アゴタ・クリストフ「悪童日記」

戦時下を生き抜くためには、ここまで逞しく、また強かでなければならないのだろうか?子供らしくないというより、その姿は「小さな大人」。
読み易いのは、余計な感情や感想は書かず、ただ淡々と事実のみを記載したからだろう。

 

悪童日記

悪童日記

 

 

 

柳田国男「遠野物語」

『山の民』について、もう少し深く触れると思ったら、そうでもなく、不思議なモノに終始してる感じ。けど、日本中で同じような話が伝承されてるんだろうなあ。それには当然、似たり寄ったりの共通点もあって。もっと言えば、世界中に広がってるのかも。

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)