魚編に虎と書いて鯱と読む!!

名古屋で読書会サークルを主催しています。読書の話を中心に徒然と書きます。グランパスが大好き。本職は公認情報システム監査人やってます。

鈴木輝一郎「信長と信忠」

偉大なる父・信長にコンプレックスを抱く息子・信忠を想像していたら、見事なまでに予想を裏切られた。嫉妬をしていたのは父・信長だった。
母から愛されず、弟に裏切られ、そして最愛の妹まで敵に回した孤独な信長が、才能溢れる優等生タイプの息子に嫉妬する心情が恐ろしくもある。
実際のところ、僕は織田信忠という人物は非常に有能で、もしも本能寺の変で死んでなければ、父・信長に代わって天下を統一し、「織田幕府」を築いたのではないかと思っている。もっと、織田信忠を描いた作品が世に出ていても良いのではないだろうか。

 

「否。父上が拙者に苛立ちを覚えなされるのは、ご自身が凡俗に変じなされたためと気づいておられましょうや」

 

信長と信忠

信長と信忠