魚編に虎と書いて鯱と読む!!

名古屋で読書会サークルを主催しています。読書の話を中心に徒然と書きます。グランパスが大好き。本職は公認情報システム監査人やってます。

大江健三郎「治療塔」

度重なる核戦争によって汚染された地球より脱出する選ばれら人類たち。絶望感が終始漂うストーリー。他の作品もだけど、大江健三郎はどんな絶望と戦ってるのだ?

 

 

吉田健一「酒宴」

読んでるうちに、朝から翌朝までぶっ通しで日本酒を飲みたくなってきたけど我慢。
ちなみに、著者は吉田茂の息子さんだったのですね。恥ずかしながら初めて知りました。

 

 

折口信夫「死者の書」

藤原南家の姫と大津皇子(亡霊?)の恋物語。全編に渡って、ジトっと湿った空気を感じるけど、独特の表現が癖になりそう。

 

 

堀辰雄「かげろうの日記」

藤原道綱母の書いた「蜻蛉日記」をモチーフとした小説。原作の切なさ5割り増しといったところか。

 

 

樋口一葉「たけくらべ」

川上未映子の訳が『今時の女の子』のストーリーにも読み取れる妙。賛否両論あったようですが原文の雰囲気は十分に残っていて、それだけに、ただ焦ったくも感じる物語。 

 

 

中上健次「鳳仙花」

紀州サーガの所謂エピソード0に当たる物語。「路地」に生きる人の業というか、ドロっとしてるか、ヌメヌメするような感触を受ける。読み手を選ぶ物語かもね。

 

 

「古事記」

古事記って読み手によって、歴史書にも文学にも政治史にも芸術にも成り得る読み物だから面白い。この池澤夏樹版は注釈の量も多く中身も濃厚。視線の上下運動が大変(笑)。