川端康成「眠れる美女」
初めて読んだのは中学の頃で、当時はケシカランと思う本を読んでしまった背徳感から、最後まで読まないまま図書館に返したのは恥ずかしい思い出。
大人になって読み返すと、また違った感想を持つのも不思議だけど、今は「性」より「生」、いや「死」について何か人の業の様なものを深く刻み込まれる。
人生の最後に、思い付く欲望ってなんだろう?
ジーン・リース「サルガッソーの広い海」
主人公アントワネットこそが、名作「ジェイン・エア」のバーサだったという設定を知らずに読んでいたら、ただの悲しい女の一生を描いた物語、くらいの感想で終わっていた。
結局のところ、旧植民地で生まれたが故に、運命に翻弄され、生きる気力も失ってく様は哀しい。本当に報われない彼女の生涯しか記憶に残らなかった。
灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-1)
- 作者: ヴァージニア・ウルフ,ジーン・リース,鴻巣友季子,小沢瑞穂
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
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内村鑑三「代表的日本人」
アゴタ・クリストフ「悪童日記」
戦時下を生き抜くためには、ここまで逞しく、また強かでなければならないのだろうか?子供らしくないというより、その姿は「小さな大人」。
読み易いのは、余計な感情や感想は書かず、ただ淡々と事実のみを記載したからだろう。
柳田国男「遠野物語」
『山の民』について、もう少し深く触れると思ったら、そうでもなく、不思議なモノに終始してる感じ。けど、日本中で同じような話が伝承されてるんだろうなあ。それには当然、似たり寄ったりの共通点もあって。もっと言えば、世界中に広がってるのかも。
新渡戸稲造「武士道」
ミルチャ・エリアーデ「マイトレイ」
マイトレイとアランが結ばれるまでの遣り取りが初々しいというか甘酸っぱい初恋の思い出みたいでキュンキュンくる分、後半との落差が切ない。本当に誰も報われない結末。
始めのうちはアランを「舞姫」の豊太郎に重ねて読んでたけど、それは失礼。あの優柔不断のお坊ちゃんと一緒にしちゃいけない。
何はともあれ、セン(マイトレイの父)がクソ野郎、ということでOK?
マイトレイ/軽蔑 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3)
- 作者: アルべルト・モラヴィア,ミルチャ・エリアーデ,住谷春也,大久保昭男
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