紀貫之「土佐日記」
55日間のうち、1日も欠かすことなく記録する継続性は素晴らしいけど、なかには、一文で終わる日もあるので何とも言えない。そもそも日記と言いつつも、あとから「日記調」にしたのではないだろうか。
貫之の狙いは『日記という形を借りて、ひらがなによる新しい文学を創始したかった』とあるが、その狙いは千年以上たっても読まれている事実より成功した、と言ってもいいのではないだろうか。
土佐日記(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
- 作者: 紀貫之,西山秀人
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 文庫
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佐々木俊尚「21世紀の自由論」
いきなり「リベラル文化人」実名挙げてのぶった斬りで思わず爆笑。佐々木さん、こんな過激な人だったっけと思いつつ読み進めたけど、内容は硬派で読み応えあり。
結局のところ、様々な問題に対してどう折り合うのか、どうリスクマネジメントしていくのか、その追求こそが優しいリアリズムといったところかな。
21世紀の自由論: 「優しいリアリズム」の時代へ (佐々木俊尚)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 佐々木俊尚
- 発売日: 2015/06/09
- メディア: Kindle版
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藤沢周平「秘太刀馬の骨」
もうタイトルからして、なんか根拠は無いけど凄そうなんですが、とにかく暴れ回る銀次郎(ノット主人公)に圧倒されっ放し。同じ藤沢作品「蟬しぐれ」のストイックな文四郎とは大違い。
ドラマでは同じ内野聖陽が演じてるとはとても思えない(笑)。結局のところ、最後に現れた真犯人は誰だったのか。
「動の司馬、静の藤沢」と言われるだけあって、美しい情緒感に溢れながらも、サスペンス要素もあり、読み終えるまで結末が楽しみな一冊。
北方謙三「波王の秋」
アンジェラ・ダックワース「GRIT やり抜く力」
一言でいうと、「才能より努力、努力、努力」な本。努力が大切ということは分かるが、チトくどいかも。
「継続は力なり」という言葉があるが、まずは、1つのことを続けてみること。そこから、何かしらupdateすることの面白さ、楽しさを見つけていくのだ。
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
- 作者: アンジェラ・ダックワース,神崎朗子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/09/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧」
かつて、人生最悪の時を乗り越えられたのは「自分が、今、何をすべきか」ということに気付いたからではないか。一言で言えば、「志」みたいな。
この世に生を受けたからには、人にはそれぞれの使命が与えられ、己の志をもって果たす。
当時、「夜と霧」は読んだことはなかったけど、今回読んで、そういうことなのかと共感できた。
この先の人生において、出来れば挫折経験は避けたいが、そう簡単に避けられるものではない。そんな時に改めて、この言葉について考えてみたい。
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「生きるとはつまり、生きることの問いに正しく答える義務、生きることが各人に課す課題を果たす義務、時々刻々の要請を満たす義務を引き受けることにほかならない」