白洲正子「能の物語」
白洲正子女史がお能の有名な作品を小説風の文書で書き改めた作品集。お能というと何か難しいものや堅苦しいものを思い浮かべる方もみえると思いますが、そんな人にもピッタリの入門書。
収録された作品の中には「源氏物語」や「平家物語」「伊勢物語」などの古典作品をモチーフとしたものが多いので読み易いかと思います。
また、お能では大抵の主人公はこの世に未練を残した幽霊であったり、もしくは狂人、神がかり、盲人といったような人物を中心に話が進みます。これは「遠野物語」辺りとも相通づるような世界観、まさに異界への入口なのかもしれません。
読んで「お能」に興味を持った方は、実際に能を観に行くのも良いかと思います。