北方謙三「三国志(二)」
実は、この巻の主役は糜竺ではないかと思う。
他の作品から入った人からしたら、誰それ、とか、地味とか言われるけど、徐州時代から劉備に付き従い、荊州、益州まで閣僚の実質トップとして活躍した政治家。同じく徐州時代からの古株、孫乾と合わせて、もっと評価されるべき人物と思う。
初登場では、武士でもないのに命を張って劉備を説得、「商人である前に、この国の人でありますよ、私は」。まさしく、彼もまた、漢の中の漢。
北方謙三作品の素晴らしい点は、こういった歴史上、目立つことのなかった人物にも役割を与えて描いてるとこじゃないかと思う。